ー革命前後のパリを揺がせたナチュラリストたち
トビー・アペル[Toby A.Appel] 著
西村顕治 訳
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動物の構造を決めるのは機能か形態か。仏生物学界の積年の対立が1830年に噴出する。ゲーテやバルザックなどの知識人も大衆も巻き込み社会現象となった、キュヴィエとジョフロア世紀の科学大論争を克明に描く。
<目 次>
序 章 世紀の対決とその解釈
第一章 キュヴィエとジョフロア――新科学に手を携えて――
一七九三年以前のフランスにおける動物学
王立植物園から自然誌博物館へ
新進のジョフロア
ジョフロアの師たち――ビュフォンとドーバントン――
ジョフロアのデヴュー
キュヴィエとジョフロア――共同研究者としての同僚――
キュヴィエおよびジョフロアと博物館という環境
第二章 科学の立法者――キュヴィエと機能的解剖学――
機能主義と自然分類
経験主義と反思弁闘争
人柄、政治力、そして信仰
組織と地位と引き立て
第三章 ジョフロアと理論解剖学
エジプトにおける知的冒険
パリに帰ってからの慎重さ
研究計画―― 一八〇七年の論文――
理論解剖学の受容と伝播
ジョフロアの代表作『解剖理論』
第四章 戦線が引かれる―― 一八二〇~二九年――
昆虫学者ジョフロア――キュヴィエとの最初の決裂――
理論解剖学と人脈と――ラトレイユ、オードアン、フルーラン――
アカデミーにおける政争――ブランヴィルの選出――
セール、「先験的解剖学」、および発生停止説
奇形学という新科学――奇形についての理論解剖学――
奇形進化説
二つの異なった自然観
第五章 アカデミーにおける論争
論争とアカデミー会員たち
論争の大衆化
デュジェの妥協策
論争は続く
論争とナチュラリストたち
第六章 アカデミーの外で――論争の波紋――
一人の自然哲学者と聴衆
論争と多様な観念の精神的、社会的な関わり合い
論争と科学における政治
第七章 目的論、形態学そして進化論――論争とその後の動物学――
解釈やら調停やら――イジドール・ジョフロア、フルーラン、ブランヴィル――
勝利を収めた理論解剖学――ミルヌ・エドヴァールと「動物生理学」――
目的論と形態学――イギリスでの論争――
論争およびイギリスやフランスにおける進化論
<訳者略歴>
西村顯治(にしむら・けんじ)
1935年 生まれる
1960年 東京大学教養学部教養学科卒業(科学史および科学哲学専攻)
1965年 同大学院生物系研究科博士課程修了(理学博士)
同年東京大学医科学研究所助手(細胞化学)
1970年 静岡薬科大学(現静岡県立大学薬学部)助教授(生化学)
1974年 浜松医科大学教授(生物学)