古代インドの苦行と癒し

ー仏教とアーユル・ヴェーダの間

 

ケネス・ジスク 著

梶田昭 訳

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異端の苦行者のヴェーダ医術からアーユル・ヴェーダ医学への結集、初期の仏教僧伽でのインド医学の発展・成文化を、歴史と比較言語学から解明。インド医学史の空白期間を埋める画期的な書。パーリ語・サンスクリット語の比較索引・文献も充実。


<目 次>

 

はじめに

第一部 古典インド医学の発展

第一章 インド医学のあけぼの――呪術と宗教による癒し

ハラッパー文化とその医術/初期ヴェーダ時代の呪術・宗教医術/供犠と医術の植物観、その一体化

第二章 異端としての苦行と経験・合理医学の勃興

社会における治療師の地位、浄・不浄体制との関わり/苦行の治療師たち、かれらの治療術/人体についての苦行者の知識

第三章 医術と仏教教団制

僧医と教団/僧院の病舎/医学教育と教団

第四章 仏教に伴ったインド医学の伝播

ヴィナヤ(律)――数団医学の原型/各版本のジーヴァカ伝説の異同――インド以外の地における原始ヴィナヤ(律)への医学的追加/非教団系の仏典――経の医学記事

サンスクリット語資料 コータン語資料 チベット語資料 漢語資料

 

第二部 初期仏教教団の医術

第五章 薬物(マテリア・メディカ)

五つの基本薬/脂肪/根/渋薬(カサーヴア)/葉/果実/樹脂(ゴムまたはレジン)/塩

第六章 癒しはどのように行われたか――疾病誌より

大きなただれ〔疥癬〕/非人病〔「つきもの」病〕/目の病気/熱で刺激された頭(頭の病気)/風(ヴァータ)の病気〔腹痛〕/手足の風(ヴァータ)〔肢痛〕/関節の風(ヴァータ)〔節痛〕/足のひび割れ/腫れもの/へび咬傷/有害な飲み物の作用/不消化/病的な蒼白、または黄疸/皮膚病/「悪い」体液でみたされた体/腹の風(ヴァータ)病/熱病/痔瘻

付録 ジーヴァカの癒し

結 論


<訳者略歴>

 

梶田 昭(かじた・あきら)

1922年 岐阜市に生まれる

1945年 東京大学医学部卒業

専攻 病理学

東京女子医科大学名誉教授