知らずに本当の防災はできない!
1995年発生の阪神淡路大震災から、1月17日で30年になります。
以後、東日本大震災、新潟中越地震、熊本地震、昨年の能登半島地震など、最大震度7で、多くの死者を出し被害が大きかった地震をはじめ、大・小の数多くの地震が日々、日本列島の各地で起きています。
南海トラフ地震(海溝プレート型)や首都直下地震(内陸活断層型)への警鐘が出されている現在ですが、それでも来るか来ないかわからない地震を自分事と思い、事前の備えに取りかかるのは難しいかもしれません。
阪神淡路大震災から15年後に出版した『震度7を生き抜く』は、地震で陸の孤島となった神戸の、その中で何が起こっていたのかを、時系列で克明に記した当事者の記録です。
予兆から始まり、17日午前5時46分にファースト・アタックの激震。真っ暗がりの中で、たびたび襲い来る震 度4~5クラスの余震。やっと見つけたろうそくの灯りで見た全てが散乱した室内の惨状。食器棚、冷蔵庫の中身 が飛び出し1m以上宙を飛んだテレビ(のちに大型TVが子供の顔を直撃したケースを知る)。明けない夜は火災により天を遮る真っ黒な煙だと判明。ライフラインの停止。入ってこない情報……。電気が開通し初めて知った神戸全体の惨状――高速道路の崩壊と道路の寸断。潰れた家屋、曲がった電柱。何日も燃え続け焼き尽くされた長田地区(倒壊家屋の下敷きで焼死した多くの人々)。溶けたビル。救えるはずの命―野戦病院と化した神戸西市民病院での悲劇。……緊急避難、被災地での生活と復興への道。
この大惨事を振り返り、大切なお金の話、子供たちのトラウマと心のケア、これまでのマニュアル「非常用持ち出し袋」「火を消して机の下に」ではない、命を守るために本当に役立つ提言を行っています。
想定を越える災害への備えは、どんなことが起こるかをシミュレーションして初めて可能となります。
<阪神淡路大震災(内陸直下型)の被害>
被災者100万人超
死者6,434人(8割以上が圧死・窒息死)行方不明者3人
負傷者43,792人
家屋の全壊104,906 半壊144,274
参考 :『震度7を生き抜く―大震災から命を守るために』 時空出版(2011年刊)