『外科の歴史』には、様々な民間療法も取り上げられています。
例えば、きわめて古い民間療法では、クモの巣による止血が行われていたそうです。
シェイクスピアの『真夏の夜の夢』には、
「あなたにはお近づきになってほしいものです。名医のクモの巣さん。
指を切ったら、あなたにお任せしましょう」
というセリフが登場します。
この歴史背景を知らなければ、セリフの意味は理解出来ませんよね。
百年戦争の初期の頃、イギリス兵士は救急用品としてクモの巣を入れた箱を
持ち運んでいた、との記録もあるそうです。
細い繊維が血液の凝固を促していたかもしれませんが、感染症のリスクも高かったでしょう。
他に、アリによる創縁の縫合や、バナナ酒による麻酔・防腐など、
興味深い療法が数多く書かれています。
麻酔なしの手術など、改めて医学の進歩の偉大さに気付かされる一冊です。
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にこ (火曜日, 05 5月 2020 19:00)
本当に効くのか聞かないのか知りたかったです。