『手術器械の歴史』は、トンプソン博士が手術器械の発展史を包括的にまとめた本です。
古代から現代まで通史で扱われたものは、他に類がありません。
それを可能にしたのは、ロンドン王立外科医師会の手術器械コレクションでした。
しかし、1941年春のナチスの爆撃により、ほとんどが破壊されてしまったのです。
貴重な歴史遺産は残っていませんが、だからこそ本著は重要な価値を持ちます。
人類と傷病との戦い、偉大なる手技の発展史が、ここに描かれています。
100以上の図を収載し、歴史背景の判る解説も添えられています。
メス・穿頭器、鉗子・トロッカーなど専門的な内容ですが、興味のある方にはお奨めします。
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