日本でデング熱の70年ぶりの国内での感染・発病が話題になっています。
ワクチンや治療薬はないものの、症状は1週間程度で改善します。
重症型(デング出血熱、デングショック症候群)には点滴治療、輸血を行います。
一方、西アフリカのエボラ出血熱の感染は拡大を続け、8月28日までに
1,500人以上が死亡し、感染者はその2~4倍と推定されています。
致命率が5割を超える疾患で、医療従事者も発病・死亡し深刻化しています。
この地域で多い、マラリアと誤診されたことが流行初期の対応が遅れた原因の
一つだったと言われ、また、死者に触れるという習慣や医療に対する不信感も
感染の拡大をもたらしたと言われています。治療薬の開発も遅れています。
蚊が媒介するマラリア、デング熱、チクングニア熱、黄熱、西ナイル熱(一部)や、
経口感染する腸チフス、パラチフス、傷口から感染するレプトスピラ症etc.…
熱帯病の多くは、突然の発熱、頭痛、筋肉痛etc.…初期症状が似ています。
三大感染症の一つマラリアは世界各地で流行し、年間3~5億人の感染と
200万人に上る死者が報告されています。
同書のコラムで著者は書いています。
三大感染症以外にも、「顧みられない熱帯病NTD(Neglected Tropical Disease)」
と呼ばれる17の熱帯病で、毎年50万人以上が命を落としているにもかかわらず、
これまであまり注目されなかったが、近年ようやくNTDへの国際的な取組みが
行われるようになったこと。
NTDの発生は、流行地の人々の生活環境や生活様式と密接に関係しているため、
対策は医療の充実のほか、病気と予防法を理解したうえで予防法を実践できるよう
教育活動や支援活動、居住環境の改善等の対策が重要である――と。
海外に中・長期滞在する際には、その地域での流行がある感染症の事前の予防接種が
欠かせません(通常、スケジュールを立てて複数のワクチンを接種する)。
国内でも、温暖化が進み、海外のあらゆる場所との行き来が頻繁になるにつれて、
これまでは馴染みのなかった感染症が入ってくる可能性は大きくなります。
熱帯病が我々に関係のないことでは、もはや済まされません。
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