国内の風疹患者が増えています。
子どもが罹ると発疹や発熱、リンパ節の腫れなどの症状が出るものの、ふつう比較的軽く済みます。
問題は、妊娠初期に罹ると胎児に高い割合で障害が出ることです。
風疹ワクチンの接種を受けていない人が感染し、セキやくしゃみなど飛沫感染で拡散されます。
■日本での風疹ワクチン接種の経緯■
1977年: 女子中学生を対象に定期接種を開始
1989年4月: 小児を対象に「麻疹・おたふくかぜ・風疹混合ワクチン(MMR) 接種開始
1993年: MMRの接種を中止。おたふくかぜワクチンで無菌性髄膜炎が多発したため
1994年10月:風疹ワクチン単独で生後12ヵ月~90ヵ月未満の小児に接種
2006年 6月:麻疹・風疹混合ワクチン(MR)として生後12~24ヵ月と小学校入学前の2回接種
したがって、定期接種を受けていないと推定される世代は、1989年以前と1993年から1994年10月にかけて
定期接種から外れた世代です。(女性では1977年以降に接種を受けた人を除く)
定期接種を受けていなくても過去に風疹に罹った場合は免疫があり、子ども時代に風疹に罹っても軽く済んで覚えていない場合もあると思います。
接種を受けていない世代の男性の接種が推奨されていますが、何よりも、妊娠する前の女性は抗体の有無を検査して、免疫がない場合は速やかに予防接種を受けてほしいものです。妊娠に気づかない初期の感染での障害発生頻度がかなり高いためです。
参照:『知っておきたい感染症と予防接種』より
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