<復刻版>
後世の狂犬病対策に役立つように、第二次大戦後に発生件数の多かった、東京での狂犬病の流行から終息までの詳細な記録と研究成果をまとめて1968年に発行。狂犬病犬の症状・経過など、現在では入手できない貴重なデータを豊富に収めた一級資料であるため復刻した。狂犬病発生国への渡航機会も増えているが狂犬病のない国は今もまれである。さらにペットブームで狂犬病に感染した動物が持ち込まれ、国内で発生する危険性も懸念される折から関係者には必読の書。
<目次>
1.これまでの狂犬病発生状況
2 どんな犬が狂犬病に
イ.疑似狂犬病検体受付状況
ロ.狂犬病犬の年令
八.狂犬病犬の畜籍
二.狂犬病犬の性別
3.狂犬病は、いつ、どんな所に、どの位
イ.月別、年度別発生状況
ロ.年度別、地域別発生状況
八.地域別、月別、年度別発生状況
4.都内にどの位の犬がいるでしょう
イ.登録犬と捕獲犬などの頭数
ロ.登録犬と地区面積、世帯数、人口数など年度別比較
ハ.犬一頭当りの地区面積
二、犬一頭当りの世帯数
ホ.犬一頭当りの人口数
5.国外の狂犬病発生状況
6.ねこなどの狂犬病発生状況-参考文献
7.狂犬病の症状は、どんなでせう
イ.原書に見られる症状
ロ.狂犬病野外発病例を年度別、畜種別、年令別にみた潜伏期
八.犬を用いた野外毒接種試験-潜伏期
二.発病経過-へい死例.殺処分例と試験例との比較
8.実際にはどんな症状が見られたでせう
イ.症状の分類
ロ.殺処分、へい死例に見られる症状
八.単一症状例の検討
二.発病後1日目(~9日目)にへい死または殺処分された例の症状
9.咬傷と狂犬病毒
イ.咬傷動機、咬傷犬と被害者
ロ.試験犬の発病初期に見られる症状
八.狂犬病毒はどこに、試験犬からの病毒分離成績
二.咬傷を受けた時の処置-予防注射
10.狂犬病予防注射
11.狂犬病ワククチン(狂犬病予防液)
イ.狂犬病ワクチンとは
ロ.狂犬病ワクチンの歴史
八.日本のワクチンの種類、製造法と取扱上の注意-検定制度
12.狂犬病検査
イ.往時の狂犬病検査
ロ.検査内容
八.解剖所見
二.ネグリー小体の検索と非化膿性脳炎像
ホ.動物試験
へ.補体結合反応試験
卜.狂犬病毒、ネグリー小体、補体結合反応抗体など出現の関連性
チ.狂犬病検査成績の検討
13.狂犬病はなくなったが
14.最後に一言
<著者略歴>
上木英人(うえき・ひでと)
昭和10年 東京高等獣医学校卒業(現日本大学農獣医学部)
昭和12年 広島県衛生課を退職
警視庁衛生部獣医課勤務となり主に狂犬病検査に従事
昭和24年 上記検査機関は東京都立衛生研究所に統合
狂犬病ワタチンの製造(28年迄)
狂犬病毒の検査研究に従事
昭和37年 狂犬病毒の研究で昭和医科大学から医学博士の称号を受ける
昭和39年 衛生局副主幹