超ベテランの専門医がズバリ直言!
あふれ返る健康情報にまどわされないために。
最近、生かじりの情報から糖尿病を悪化させる例があとを絶たない。数十年にわたる研究と日々の診察を通して、糖尿病専門医の大森先生が間違った「常識」に切り込む。迷いがちな、食事、薬、治療をはじめ健康食品、民間療法まで、どう考えればよいかを明快に語る、目からウロコの落ちる書。患者および予備軍といわれる1620万人の必読書!
気づかぬうちに忍び寄る合併症の悲惨な結果――腎透析、失明、壊疽(えそ)による手足の切断など――を招く患者さんがある一方、糖尿病の無い人と変わらない生活を50年間続けたり、母子ともに健康な出産を果たす患者さんも数多い。つねに喜怒哀楽を共にしながら、大勢の患者さんを支えてきた著者が、祈りを込めて警鐘を鳴らす。
<目 次>
1 糖尿病は古代からあり現代文明病ではない
2 うちには糖尿病の人がいないので、私は糖尿病ではない
3 「なんの症状も無いので大丈夫」は大丈夫ではない
4 検診で糖尿病と言われたが、症状が無いので無視している
5 過信してはいけない民間療法
6 薬を飲んでいるから治療を受けている
7 インスリン注射に関する間違いだらけの常識
8 血糖を下げる薬は飲み出したら止められないから飲みたくない
9 良くなったと言われたので治療を中断した
10 教えられたことは正しく守りましょう
11 尿タンパク陽性と聞いて初めて腎症に驚くのは間違い
12 コントロールを良くしないで壊疽(えそ)を怖がっている ほんとうの壊疽はほんとうに怖い!
13 ご飯を控えて、おかずをいっぱい食べている
14 お酒を飲みたいので、ご飯を控えている
15 医師の言うことより、うわさの民間療法を信じたがる患者さん
16 血糖を下げると誤認してはいけない食品 1 カボチャ
17 血糖を下げると誤認してはいけない食品 2 リンゴ
18 血糖を下げると誤認してはいけない食品 3 タマネギ
19 血糖を下げると誤認してはいけない食品 4 黒酢、酢卵、ハチミツ
20 いろいろの効用があるサプリメント ご用心!血糖を下げるものはない
21 更年期障害と血糖コントロール 更年期だからといって血糖は高くならない
22 性に関するウソの常識
23 糖尿病でも妊娠できるが、コントロールが悪いままの妊娠は禁物
24 糖尿病をもつ学童や青年の受け入れに差別を示す社会
<著者略歴>
大森安惠(おおもり・やすえ)
高知県安芸市に生まれる
1956年 東京女子医科大学卒業
1957年 同大学第二内科入局。以後、糖尿病の臨床・研究に従事
1981年 同大学糖尿病センター教授
1991年 同センター所長兼主任教授
1997年 定年退職、名誉教授。済生会栗橋病院副院長
第40回日本糖尿病学会で女性初の会長を務める
2002年 東日本循環器病院(現・海老名総合病院)糖尿病センター所長
糖尿病と妊娠に関するわが国のパイオニアで、1985年糖尿病と妊娠に関する研究会設立、
2001年日本糖尿病・妊娠学会に改め理事長となる。
2011年から13年WHOのGDMガイドライン作成委員。
〔受賞〕
吉岡弥生賞、坂口賞、サンサム医学研究賞、Distinguished Ambassador Award、ヘルシーソサエティ賞
鈴木万平賞など